わずか1ヵ月の合宿授業で即戦力として働ける技術が習得できるといった「寿司和食インターナショナルアカデミー」のように、近年は合理的な指導法を取り入れることで、短期間で基礎的な技能を教え込んでいる学校もたくさんあるようです(写真はイメージです)

40歳を過ぎてから
別の分野でプロを目指す

前回、プロフェッショナルとしての存在意義の拡大という話をしました。今回は、人生の半ばからそれまでとは違う領域でプロになれるのか、という話をしたいと思います。

 多くの方は大学を卒業したばかりの頃は、まだ何かのプロになっているというわけではないでしょう。日本に比べて海外では、出身学部と職業の間により密接な関係があります。その観点から言えば、大学卒業後、すぐにプロのスタートラインに立っているという感じなのでしょう。

 日本でも理系の修士レベルであれば、比較的出身学部と仕事内容とは互いに連関している場合もあるし、博士レベルであれば、研究職として学んできた学問と仕事がかなり密接に紐づけられます。

 しかし、文系学部の場合は仕事と出身学部の間には関連性はほぼなく、様々な企業に、ホワイトカラーのいわゆる“ゼネラリスト”として採用されることが多いのではないでしょうか。

 いずれにしても会社に入りたての20代はキャリア成長論(第20回「50歳を過ぎても成長できる人は、40代までをこう過ごす」等参照)で繰り返し述べているように、これからようやく型にはまる時期ですから、プロというよりは見習いです。

 実際にプロを目指すのは30代からでしょう。日本企業で一角(ひとかど)の存在になるにはとても長い時間がかかるわけです。

 今、本連載をお読みの方は40代以上の方が多いでしょうから、皆さん一角のプロとして、すでにそう簡単には他者が真似のできない仕事をされているものと推察します。