経営者の条件
ダイヤモンド社刊 1800円(税別)

  「仕事に関する助言というと、計画から始めなさいというものが多い。まことにもっともらしい。問題はそれではうまくいかないことにある。計画は紙の上に残り、やるつもりで終わる。成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする」(『経営者の条件』)

 彼らは計画からスタートしない。何に時間がとられているかを明らかにすることからスタートするという。

 次に自分の時間を奪おうとする非生産的な要求を退ける。そして得られた時間を大きくまとめる。

 ドラッカーは言う。

  「時間は、借りたり、雇ったり、買ったりできない。供給は硬直的である。需要が大きくとも供給は増加しない。価格もない。限界効用曲線もない。簡単に消滅する。蓄積もできない。永久に過ぎ去り決して戻らない」。

 時間の管理に取り組むには、まず時間を記録することが必要である。成果をあげるための第一歩は時間の記録である。

 記録の方法を気にする必要はない。自ら記録してよい。秘書など他人に記録してもらってもよい。大切なことは、正しく記録することである。記憶によってあとで記録するのではなく、ほぼリアルタイムに記録することである。

 「時間の記録をとり、その結果を毎月見ていかなければならない。最低でも年2回ほど3、4週間記録をとるべきである。記録を見て日々の日程を見直し、組み替えていかなければならない」(『経営者の条件』)