大賞はロシアを舞台にした歴史経済小説
「ピコラエヴィッチ紙幣」
大賞を受賞した熊谷敬太郎氏(左)とダイヤモンド社代表取締役社長・鹿谷史明(右) |
2009年10月6日(火)、石山記念ホール(東京都渋谷区)にて、第2回城山三郎経済小説大賞の贈呈式が行われた。
4人の選考委員(安土 敏氏、幸田真音氏、佐高 信氏、高杉 良氏 五十音順)のほか、多数の出版・マスコミ関係者が出席。
大賞を受賞した熊谷氏には、表彰状と記念品、副賞の目録が贈られた。
第2回城山三郎経済小説大賞は、86の応募作品の中から、熊谷敬太郎氏の『ピコラエヴィッチ紙幣』が大賞を受賞。
本作品は、ロシア革命の最中、1920年3月から5月にかけて、極東ロシアの町で起こった尼港事件を舞台に、当時この町で貿易業を営む島田商会によって発行された「ピコラエヴィッチ」という紙幣の謎に迫る歴史経済小説。
通過や経済がテーマでありながら、スリル・サスペンス・恋愛もからめてエンタテイメントとしても十二分に楽しめる内容となっている。
左から選考委員の佐高信氏、高杉良氏、安土敏氏、大賞受賞の熊谷氏、城山三郎先生の次女・井上紀子さん、長男・杉浦有一さん |
選考委員のひとりである佐高 信氏は、「最終選考に残った3作品のうち、一読して大賞はこの作品しかないと思った。城山三郎が存命だったらこの作品を熱烈に推薦したのではないか」と本作品を絶賛した。
その後、壇上に立った熊谷氏は、「本を出版するという夢……、その夢がとうとうかないました」と声を詰まらせながらスピーチした。
城山三郎経済小説大賞とは
経済小説ジャンルの発展と書き手の発掘を目的とし、先駆者である城山三郎の名を冠してダイヤモンド社が広く一般公募する小説大賞。
2004年に創設した「ダイヤモンド経済小説大賞」を発展させたもの。2008年に城山三郎経済小説大賞に改称。
経済小説は、複雑でわかりにくい「仕組みとしての経済・企業」を、「人間のドラマ」として読者に伝えるという役割を果たすエンターテインメントである。