定時退社だけで社員は幸せになれない、という現実2014年のハロウィンパーティ。今では社員もその家族も参加して和気あいあいとしたイベントが開催できているが…。ほんの3年前まで、社員たちの不満で溢れていました

 私たちの会社ランクアップは、残業がほとんどなく、ほぼみんなが17時に帰れます。しかも、業績は9年連続右肩上がり。そう言うと、みなさんにうらやましがられます。

 でも、実態は最悪だったんです。前回ご紹介したとおり、社員は社長である私や会社への愚痴と不満が多く、ストレスでいっぱい。そのあげく体調不良で倒れる社員が現れるほど最悪な環境でした。

 残業がなくて早く帰れても社員は幸せじゃないんです。

企業サーベイの結果はなんと20点!
「仕事を楽しみにしている」社員は0%

 この暗い時期真っ只中だった2012年に、私と取締役の日高は、働きがいのある会社を調査する「GREAT PLACE TO WORK」という企業サーベイを受けました。

 企業サーベイとは、社員全員が会社や経営者に対するアンケートに答えるというもので、経営者にとっては、社員全員から会社を採点されるという、恐ろしい通信簿なのです(ちなみに、直近のこの調査の1位はグーグルさんです)。

 この企業サーベイを受けた理由は、もちろん社員が見ている会社の本当の姿を知りたかったからでした。

 私たちの調査結果は、想像以上のひどさでした。総合点数はなんと100点満点中20点。しかも一般社員からの回答は想像を絶するものでした。

・経営、管理層は言うこととやることが一致している(はいと答えた回答率、以下同じ) 6%
・この会社の人たちは、仕事に行くことを楽しみにしている 0%
・仕事や職場環境に関する意思決定に従業員を参画させている 11%
・この会社の管理職はえこひいきしないように心がけている 17%
・この会社の人は裏工作や他人を誹謗中傷しないように心がけている 17%
・会社のめざす方向とその実現方法が明確である 11%

 この回答はほんの一例ですが、ほとんどの社員が、会社や私をまるで信用していないことがわかりました。私は、社員全員から社長失格の烙印を押されたようで本当にショックでした。私は、最低の社長であると通知されたこの紙を、当時は恥ずかしくて社員の誰にも見せることができませんでした。