林さんは小さなところにも気を遣っています。
たとえば手袋。林さんは3つの手袋を使い分けています。
収穫や出荷調整(野菜を量ったり袋詰めする作業)など細かい軽作業には、薄手のゴム手袋を使用しています。そして、機械作業には滑りにくく機械に巻き込まれにくい革手袋を使用します。重いものを持つときや濡れたものを持つときなどは、厚手の丈夫なゴム手袋を使っているのです。
この手袋を使い分けるというのも、実はとても合理的なことです。作業を素早く安全に、きれいにするだけでなく、道具を長く使うという工夫でもあるのです。
道具は適した状態で使用すると長持ちします。
たとえば、薄手のゴム手袋で力仕事をしたら、すぐに切れてしまいます。また、厚手のゴム手袋が丈夫だからといって、その手袋で出荷調整作業をしたら、細かい仕事ができずに時間の無駄になります。革手袋も安全で丈夫だからと、濡れる作業に使っていては、すぐに皮が痛んで使えなくなります。
小さなことではありますが、1つ1つの道具の特性を考えて使い分けることが、少ない人数で最大の収穫と成果を上げる林さんの農業の特徴なのです。
整理・整頓ができないときは、
すべてうまくいかない
一方で、うまくいかない人は、機械をよく壊します。そしてその機械は汚いのです。
整備ができていないから、作業が始まるときに機械がうまく動かず、予定した作業がその日に終わらなかったりします。また、ものを探すのに時間がかかり、疲れる割に生産性が上がらず長時間労働になってしまうのです。