日本で展開する分散コンピューティング・スタートアップ
イスラエルのスタートアップで、すでに日本展開している会社がいくつかある。分散コンピューティングを実現するゾレアックス(Xoreax)社もその1社である。
ゾレアックス(Xoreax)社は2002年ウリ・ミショル氏らによって設立。
強力な分散コンピューティングを実現するソフトウェアのインクレディビルド(以下IncrediBuild)を提供する。
このソフトウェアは現在世界50ヵ国、14万ライセンス以上を提供、日本国内では、ゲーム業界を中心に8000ライセンス以上を提供している。イスラエルで開発されたゾレアックス・グリッドエンジン(Xoreax Grid Engine「XGE」)という、WindowsOS上のグリッド・コンピューティング技術を使い、ネットワークに接続された複数のPCを用いてビルドを実行させ、多種多様なアプリケーションの処理時間を最大で約30倍まで高速化し、開発現場の“待ち時間”を大幅に削減、業務効率を改善するソフトウェアだ。
「グリッド・コンピューティングによる分散処理というと、クライアントPCに負荷がかかる可能性や、膨大なクライアント機器が必要ではないか?」と考える方が多いだろう。IncrediBuildの提供するグリッド・コンピューティングでは、PCの負荷状況をみて、余っているCPUリソースだけを使用する。分散処理をしているPCのCPU負荷が高くなれば、キャンセルして別のPCへの割り振りを行う。LAN上のPCリソースを最大限に活用できる。