東京メトロ駅構内の売店「メトロス」はローソンに転換される
Photo by Hiroyuki Oya

 コンビニエンスストアの出店競争が激化する中、各社が熱い視線を送る立地がある。鉄道の乗降客を独占できる駅構内、いわゆる「駅ナカ」だ。

 ローソンは4月27日、東京都内の地下鉄を運営する東京メトロと提携した。東京メトロ駅構内の売店「メトロス」140店のうち約50店を今後3年でローソンに転換。残る約90店についても切り替えを検討する。

 東京メトロがローソンと提携したのは、メトロスの苦戦が原因だ。約7平方メートルと超小型のメトロスで、売り上げの約7割を占めるのが新聞、雑誌、たばこの3本柱。しかし、スマートフォンの普及や喫煙率の低下で売り上げが落ち込み、ここ10年間は「年平均で6.5%ダウンしていた」(東京メトロ)。

 立て直すためには、商品構成を見直すしかない。こう判断した東京メトロは、おにぎりやサンドイッチなど手軽な食品の扱いに長けたコンビニとの提携を決断。昨年10月、ローソンのほかセブン-イレブン・ジャパン、ファミリーマートの大手3社に声を掛け、最も好条件を提示したローソンが、パートナーに選ばれたというわけだ。

 転換した店舗ではおにぎりやデザートといったローソンの定番商品のほか、外国人観光客向けの品ぞろえを強化し、1店舗当たり5~6割の増収を狙う。