エコカー戦争でトヨタ自動車やホンダの後塵を拝してきた日産自動車が、大胆な巻き返し策に打って出る。電気自動車の量販だ。「ゼロエミッション(無排ガス)車で世界のリーダーになる」と宣言した日産の環境新戦略の勝算を、カルロス・ゴーンCEOの右腕である志賀俊之COOに聞いた。
(聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部 山本猛嗣)

志賀俊之 日産自動車 代表取締役兼COO(最高執行責任者) Photo by K.Sumitomo

―自動車産業の現状をどう見るか。

 端的に言って、いろいろな物事がいきなりズズっと押し寄せてきた格好だ。100年に一度の危機と言われる昨今の不況もさることながら、もちろん地球温暖化問題もある。また、その環境対応を筆頭に、自動車に求められる要件そのものが大きく変わってきたと感じる。

 あと何十年も経てば、ガソリンを入れて走っていたこと自体、「昔はそんな無駄を許していたのか…信じられない」という時代が来るのではないか。つまり、クルマそのものを見つめ直さなければ、生き残れない時代になったと考えている。

―その中で、日産はどうクルマを見つめ直すのか。

 特に環境という視点から語れば、ゼロエミッション(無排ガス)車のリーダーになりたいと宣言した。ゼロエミッション車とは、排気ガスを出さない、化石燃料を使わないクルマのことだ。「あれっ、クルマとはこんな新しいことができるんだ」と提示できる会社だけがリーダーになれると信じている。