日ごろから、信頼できる弁護士との関係をつくっておく
このように、日本企業は、アメリカでクラスアクションを起こされるという事態を想定して、さまざまな準備をしておく必要があります。
とはいえ、実際にクラスアクションを起こされた場合には、状況次第で選択する戦略はケース・バイ・ケースとなります。自社製品のメリットを前面に押し出していく戦略が適している場合もあるでしょうし、「クラスの認定」を阻止する戦略が適している場合もあるでしょう。修理やリコールなどの対応を、すぐに取らなければならないケースもあるかもしれません。
この戦略の選択を誤れば、企業に大きなダメージを与える結果を招きます。
クラスアクションなどの訴訟に発展すれば、企業にとっての損害は、賠償金の支払いにとどまらず、製品の価値の低下や修理費用、さらには株主への株価下落の賠償にまで拡大する可能性もあります。そして、なにより、企業そのものに対するイメージが大きく悪化し、計り知れない打撃を受けることになりかねません。
メーカーの責任は、製造して販売すれば終わりというわけではありません。製品に問題が発生し、クラスアクションなどの訴訟が提起された時の対応まで含めて、さまざまなケースをシミュレーションし、対策を考えておく必要があるのです。
そして、それぞれのケースに応じて、早急に戦略を立てるためには、日ごろから信頼できる弁護士との関係を築いておくことが大切です。前もってさまざまなケースを想定し準備をしておけば、クラスアクションの発生を恐れることはありません。
いざという時、何に注意し、どう動けばいいのか、クラスアクションについて実績を積んだ弁護士と協力することが、問題の速やかな解決につながるのです。