近年、アメリカでビジネスを展開している企業が揺れている。タカタ製のエアバッグがリコールの対象となるとともに、消費者から損害賠償を提起されるなど、クラスアクション(集団訴訟)の危険性が増しているからだ。しかし、日本企業の立場に立って数々の訴訟を戦ってきた、ライアン・ゴールドスティン米国弁護士は、「日本企業はクラスアクションをむやみに恐れないでほしい」と主張する。では、日本企業はクラスアクションにどう備え、どう対応すればいいのか?3回にわたって連載していただく。
自社製品についてのコメントをウェブ上で探る
クラスアクションに備える第一歩は、顧客の声に耳を傾けることです。
ウェブ上のブログやSNSには、製品についての利用者の感想やクレームが数多く掲載されています。この「生の声」を集めるために、日頃からウェブ上の自社製品についての書き込みを調べておくことをお薦めします。自社の製品の利用者がどのような感想を持っているのか、クレームと言えそうなネガティブな書き込みはないか、定期的なチェックをするのです。
もちろん、日本語のものだけではなく、アメリカのウェブ上で英語で書き込まれているものをチェックすることが重要です。そして、すぐに対応した方がよいと思われるコメントを見つけたら、なるべく早く対応することです。ここで誠実な対応をすることで、会社や製品に対するユーザーの印象がよくなるのはもちろん、問題がまだ小さいうちに解決しておくことによって、クラスアクションを提起されるリスクを大きく下げることができるでしょう。
アメリカの弁護士たちは日ごろからこれらの書き込みをチェックし、クラスアクションを起こすことができそうな事例を探しています。ですから、彼らに先んじられることのないように、日々刻々とチェックを続けるのが得策でしょう。