「謝罪」より「情報公開」を真っ先にやる
では、実際に欠陥商品が見つかった場合は、どうすればいいか?
まず第一に、なるべく早く公表することです。
公表までに時間がかかると、それだけで対応の不手際がクローズアップされ、問題が大きくなってしまうケースが多々あります。必ずしも謝罪は必要ではありません。
それよりも、消費者が求めているのは正確な情報です。一刻も早く、自主的に調査を開始して、そのことを即座に公表することが重要です。そして、問題点が見つかれば、消費者に対してどう対処していくか、を具体的に説明するのです。こうした情報開示を、適時的確にスピーディに行うことがきわめて重要なのです。
そして、「製品の使い方が間違っている」などと、消費者のせいだと決めつけてはいけません。
このような事例がありました。
消費者からアクセルペダルが戻らないというクレームを受けた大手自動車メーカーが、ペダルが戻らないのはフロアマットを2枚重ねて敷いているからだと主張。つまり、メーカー側は「利用者の使い方が誤っている」と指摘したのです。このように社会の反感を買いかねない対応は避けるべきです。結局、このケースでは、メーカーが大規模なリコールを行う事態にまで発展してしまいました。
多くの日本企業は高い品質基準を掲げ、自社製品は完璧だという自負をもって製品を製造しています。そのためにかえって、何か欠陥が報告された場合に、自社ではなく利用者の側の問題ではないかと考えてしまうケースもあるようです。
もちろん、自社製品に対するプライドは大切です。しかし、だからといって、欠陥製品が見つかったときに、真っ先に消費者に非があるという主張をしてしまうのはNGです。確実に、利用者全体が受ける印象は非常に悪いものになってしまうからです。詳しい調査をする前に消費者のせいにすることは絶対に避けなければなりません。