海外に製品を売りたい!と考えている中小企業のみなさん。海外の展示会に出てみたものの成果が上がらなかったり、事前準備を入念にされていて進出タイミングがうまく図れないなど、さまざまな悩みをお持ちでしょう。本連載では、そんなみなさんの疑問にお答えしていきます。

「うちの製品・技術なら必ず海外でも需要があるだろうに、英語ができる人材がいないのが残念だ」

 そう言って、海外販売を諦めている中小企業の方が多いのではないでしょうか。

海外展開が思うように進まない。その理由は…?

 あるいは、すでに海外の展示会にも出展されてみて、結構引きはあったのに、

「結局、受注には結びつかなかった。やはり縁がなかったんだろう……」

 と、首を傾げている方もいらっしゃるかもしれません。

「まず、その国の市場や規制の調査をして必要な認証を得てから出て行くんだ」と慎重を期して、準備に手間取っている経営者の方もおられるでしょう。

販売先が欧米でもアジアでも
まずは海外の販売パートナーを見つけよう

 そういうみなさんは、改めて海外販路の作り方を見直してみませんか。一般に、モノを作るのは得意でも売り込むことに慣れていない、という中小企業は多いようです。まして海外へ出るとなれば、言葉のカベをはじめ心配事も増えます。

 しかし、要所さえ押さえられれば弱気になる必要はありません。実際のところ、英語力は海外販路開拓のすべてのプロセスで必要なわけではありませんし、認証が問題にならない場合もあります。

 今回、『中小企業が「海外で製品を売りたい」と思ったら最初に読む本』では、素晴らしい製品・技術を海外にも売り込みたいのに、外国語の能力や営業のノウハウがなく、何から始めればよいか分からないという中小企業の方向けに、基本的な海外販売の手順と組織の作り方をまとめました。特に、技術セールスやアフターケアが必要な製品の中小メーカーを念頭においています。本連載ではその一部をご紹介していきます。

 成功に向けた最大のポイントは、自社の製品に合った海外の販売パートナー(販売代理店)を見つけることです。販売先が欧米でもアジアでも同じです。