それだけ高性能のカメラを積んでいれば、犯罪やテロだけでなく、プライバシーの侵害も問題になることだろう。知らないうちに自分の生活が空撮され、それがネット上で配信されるなどという事態は御免こうむりたい。

 リアルタイム配信というと、善光寺の「ドローン少年」。少年は善光寺のご開帳の様子をドローンで空撮し、その様子をネットで生中継していたが、トラブルでドローンを墜落させてしまった。しかし、その後も反省はしなかったようで、東京都の国会議事堂周辺や有楽町駅前などでドローンを飛ばそうとして警察から注意を受けていた。この少年は最終的に5月21日に逮捕されている。浅草神社で行われる三社祭において、ドローンによる撮影を予告するような発言をネット上で行っており、それによって祭の運営を妨げたとして、威力業務妨害容疑で逮捕されたのだ。新しい技術に飛びつき、それで耳目を集めようという人はドローン少年ひとりではないはずだ。

10兆円産業は人々の希望になるか

 今のところ、日本国内においては、空港周辺などをのぞき、ドローンを飛行させること自体を取り締まることはできない。急激なドローンの普及とそれに起因するトラブルを受けて、政府はまず官邸や国会といった重要施設周辺を飛行禁止にし、その後、購入時の登録義務付けや本人確認を行うことなどを検討し始めた。

 また、民間企業も動きが活発化している。5月、ドローンの「侵入」対策を綜合警備保障や沖電気工業が相次いで発表した。ドローンの飛行音を音響センサーを用いてキャッチ、不審なドローンを発見し、対処を可能にするというものだ。忍び寄るドローンの脅威から身を守るという周辺産業も、今後成長していくに違いない。

 一切リスクのない新技術などはないのだろうが、空を飛び交うドローンに怯えることなく、その恩恵に預かれるような世界になってほしいものだ。あまりぞっとしないドローン関連のニュースが続いたが、28日、神奈川県はドローンを使用して箱根山の火口や観光用の設備の点検をすると発表した。将来の10兆円市場が健全に成長してくれるように見守りたい。