グーグルのドローン事業はまだ未知数
米連邦航空局との急接近で開発速度が上がる!?
2015年5月5日、米ジョージア州アトランタ。UAS(無人飛行システム)に関する世界最大級のシンポジウム『AUVSI's アンマンド(無人)システム2015』の2日目、午前9時過ぎに始まったパネルディスカッションに、グーグルのドローン事業「プロジェクトウイング」を率いる、デイブ・ボス氏が登壇した。
大型ディスプレイには、YouTubeに2014年8月28日からアップされているプロジェクトウイングが、オーストラリア・クイーンズ州で行なっている飛行実験の映像が流れた。
約500人の観衆は、主催者のAUVSIが配布した『アンマンド デイリーニュース』に記載されたプロジェクトウイングに関する記事を見ており、その上で、ボス氏から新たな情報が発信されることを待っていた。同記事によると、2015年後半には、YouTubeで現在流れている形態とは違う、新型機種が公開される可能性を示唆していたからだ。
だが、ボス氏の口からは聴衆が期待していた新型機種に関する発言はなかった。その代わり、「米連邦航空局とはこの数ヵ月間で様々な協議が進んでいる」と米政府の小型UAS(通称ドローン)に対する考え方の急速な変化を強調した。
そうした協議を経て、プロジェクトウイングはどのような変化を遂げるのか?
ひとつのヒントとなるのが、本連載第198回で紹介したスイスのドローン関連ベンチャー、センスフライ社だ。同社幹部は、グーグルと様々な協議をしていることを認めており、今回のシンポジウムでも両社は接触した模様だ。
センスフライ社は固定翼型ドローン分野で世界最大規模となる月販100機を世界各地に提供。その事業の運用方法についてグーグルが学ぶ点が大きいと思われる。さらに今回、シンポジウムと併催された展示会でセンスフライ社は、新設計の回転翼型ドローン「eXom」の自動飛行を披露。そのソフトウエア・プログラミングの精度の高さに業界関係者の注目が集まった。こうした点でもグーグルとの接点があると思われる。