タテマエとホンネを見抜け!
「黒い職場」を生き抜く教訓

 今回紹介した新聞社の組織に根付く「悪しき制度と文化」とは、どんなものだろうか。実は、苦言を呈している横井さん自身、職場のホンネとタテマエを見抜くことができていないと感じる。筆者が贈る教訓は、次の通りだ。似たような境遇にいる読者は、参考にしてほしい。

1.降格がない「職能資格制度」の
行き着く先

 今回の事例は、大新聞社の解説委員のあり方にも問題があるだろうが、実は大きな会社(実は、中小やベンチャー企業の大半)によく見られる「職能資格制度」の弊害とも言える。

 職能資格制度では、等級(資格)が5~8段階に分けられていて、それぞれの社員はいずれかに所属する。通常、新卒で入社するとき、同期生はみんなが同じ等級になる。そして年功(キャリア)を重ねるほどに、上に上がって行く。20代後半から、同期の中で少しずつ差がついて行く。1つの等級を2~3年で終え、上の等級に以降する者がいる一方で、5~6年かけてようやく上がる人もいる。

 この等級を上がっていくスピードにより、30代半ば~後半になった時点で、同期の中では少なくとも「役員候補」「通常の管理職」「管理職になれない」というざっくりした区分けがなされている。「役員候補」は、同期の中では等級を上がるスピードが群を抜いて早い。

 この制度の大きな問題は、上から下の等級に下がる、いわゆる「降格」がほとんど行われていないことだ。制度というよりは、制度の運用の問題と言えるかもしれない。

 いったん一定の等級になると、自分の身が守られていると思い込み、平和ボケになっていく人が現れることは否めない。世間では「実力主義」なる言葉が、その実態がはっきりしないまま浸透している。ホンネのところでは、この職能資格制度は企業社会の隅々まで浸透しているがゆえに、変えることは相当に難しい。