外国ブランドに対する日本人の舶来趣味から言うと、仏文化・ブランドへの憧憬は強いはずだが、ことクルマに関しては状況は厳しい。筆者も取材したことがあるが、ホンダからVW日本法人、プジョー・シトロエン・ジャポンへと転職した経験を持つ上野国久・プジョー・シトロエン・ジャポン前社長は、その著書『3つの国の企業で働いてわかったこと』でこう記している。

「ホンダ、フォルクスワーゲン、そしてプジョーそれぞれの企業としての思想と行動原理を要約すれば、ドイツ企業としてのVWの思想と行動原理は、日本企業としてのホンダのそれよりも遥かに明示的でかつ論理的である。フランス企業としてのプジョー・シトロエンの思想もまた日本企業のそれと比べると明示的でありかつ論理的だが、その行動原理は多分に暗示的である」

 この言葉は、海外勢の日本市場への開拓意欲・行動の違いを、多分に示唆したものと言えよう。

新興市場の台頭に少子高齢化
厳しい日本市場でどう生き乗るか?

 日本の自動車市場は、現状で世界3位のボリュームがあるが、すでに圧倒的な世界トップ市場となった中国に続き、今後は新興国市場が本格的に成長してくる。日本市場は自動車保有母体をベースにした循環型構造となり、さらに少子高齢化社会が進むことで、伸長は望めない。一方で、国産車ブランドの競合は乗用車8社、トラック4社がひしめき合い、軽自動車も含めて今後とも厳しい販売競争が予想される。

 輸入車についても、輸入車間の競合、国産車との競合のなかで、日本独自の自動車税制に対応し、高級車から小型モデルまでを視野に入れた商品の導入で対抗していかねばならない。ある輸入車日本法人トップが、筆者の取材に対して「世界で最も競争が激しい日本自動車市場で一定の成功を収めれば、世界のどの地域でもやっていける」と応えてくれたことがある。

 確かに、日本法人のトップを務めて一定の成果を示した外国人は、本国や他の主要国で出世するケースが多いそうだ。

 冒頭で述べた通り、ヤナセが創立100周年、日本自動車輸入組合が50周年と、輸入車業界が「節目」の時期を迎えているなか、これからの日本における輸入車のあり方とはどんなものかを、考えてみたい。