会場の片隅にポツンと立っている人に話かけるG・W・ブッシュ氏
アメリカの第43代大統領 ジョージ・W・ブッシュ氏は、イラク戦争の経緯などから日本でもあまり良いイメージを持たっていない人が多いかもしれません。指導者としての判断には、毀誉褒貶がつきまとうのは仕方ないことでしょう。
しかし、身近でお会いしたことがある私は、個人的には大ファンの1人です。
彼はパーティーなどに出席すると、必ずその場にいるもっとも弱い立場の人、賑やかな輪から外れている人などに声を掛けます。
韓国で行われたある晩餐会でのこと。当時、友人たちと一緒にツイッターを創業したばかりのビズ・ストーン氏はいまほど有名なわけでもなく、華やかなパーティー会場の片隅で独り、ポツンとグラスを傾けていました。
スペシャルゲストとして登場したブッシュ氏は、スピーチが済むとスタスタ彼のほうへ歩いていき、「やあ、ちょっといい? 君と話してみたかったんだ」と気さくに声を掛けたのです。そして、自分の知人や友人を紹介し、ジョークを飛ばして場を大いに盛り上げるムードメーカーぶりを発揮。私を含め、そのやり取りを見ていた全員が、彼の大ファンになってしまいました。
アメリカ大統領というポジションからすれば、そんなことをする必要はまったくないのですが、あえて自分からコミュニケーションの口火を切る。
そのために「聞く」というスキルをさりげなく使っているのでした。