相手の名前をすぐ覚えて繰り返すジム・ロジャーズ氏

 ジョージ・ソロス氏と伝説のクォンタム・ファンドを立ち上げ、また世界中を旅して回ることで知られる投資家 ジム・ロジャーズ氏には、日本と海外で合わせて4度ほどインタビューしたことがあります。
 初めてのインタビューの際、私をはじめスタッフは「どんな人なんだろう」「ちゃんとしゃべってくれるのだろうか」とすごく緊張していました。
 でも、それは全くの杞憂でした。番組前の打ち合わせの時、彼はすぐ私たちの名前を覚え、インタビューが始まると、こちらの質問に答えるだけでなく、「有香、君はどう思うんだい?」「有香、日本で買うべき銘柄があったらすぐ電話して教えておくれよ」などと、自分から会話を楽しむようにポンポンと質問してくれました。
 有名人でありながら相手をベルトコンベアーで流れてくるインタビュアーやプロデューサーとして扱うのではなく、繰り返し名前を呼ぶことで相手への興味を自然に示すことがお上手でした。
 また、番組が終わった後、「シンガポールへ来ることがあったらぜひうちに寄ってくれよ。必ずだよ」と気さくにおっしゃっていただきました。
 実際に数カ月後、プロデューサーが取材でシンガポールへ行く機会があり、おそるおそる連絡したところ、すぐOKをいただきました。
 いつもこんな感じなので、世界中のマスコミ関係者で彼のことを悪く言う人は一人もいないといっていいでしょう。