LINE(株)CEOを退任した森川亮氏が、新たに立ち上げたのは「C CHANNEL」という動画ファッション雑誌。一方、堀江貴文氏も料理動画サービス「2’59Cooking」をプロデュースしている。奇しくも二人とも動画ビジネスを手がけていることから、動画の未来について話に花が咲いた。『逆転の仕事術』(堀江貴文)、『シンプルに考える』(森川亮)ともに新刊が話題のお二人と、看板娘・寺田有希が送るニコニコ生放送『BARホリエモンチャンネル』ダイジェスト版、連載最終回。(構成:田中裕子)
動画で「ユニクロ」のような世界をつくりたい
堀江貴文(以下、堀江) 森川さんは、LINE社長を退任して、C CHANNELという動画サービスを立ち上げました。動画ビジネス自体は盛り上がっていると言われていますが、たとえば動画視聴時間は増えていくんですかね?
森川亮(以下、森川) うーん、ひとりあたりの視聴時間はなんとも言えないですね。ただ、「動画を見る人」はもっと増えていくと思います。
堀江 それは、テレビの視聴時間を奪って?
森川 テレビとか雑誌とかメディアの問題ではないんです。「説明するコンテンツ」や「つくるコンテンツ」は置き換わっていくでしょう。
堀江 ほう。というと?
森川 同じ時間が与えられたとしたら、活字よりも動画のほうが取得できる情報量が多いですよね。たとえば、ヘアメイク。ヘアアレンジの方法やアイラインの引き方なんて、文字で説明されるより動画を見たほうがよっぽど早いでしょう。的確に伝わって、短い時間で理解できる。
堀江 あ、それ、ほんとよくわかります。僕がプロデューサーを務めている「2’59Cooking(ニーゴーキュークッキング)」というサービスのβ版が5月にリリースされたんですね。これ、料理の手順が動画で見られるサービスで、理解できている手順はスワイプでスキップできて、もっと知りたい手順はじっくり確認できる優れものなんですが。
森川 (手元でいじりながら)あ、使いやすいですね。
堀江 でしょう。いま、レシピに書かれている文字情報だけでは料理がつくれない人が多いらしいんですよ。「ゴボウのささがき」と書かれても、それをかみ砕いて「鉛筆を削るような感覚で」と説明されてもわからないって。お菓子づくりにしたって、「メレンゲはツノが立つまで」とか「6分目まで」とか曖昧な状況説明が多いじゃないですか。
森川 あはは、たしかに。目で動きを見たほうが理解しやすいコンテンツと相性がいいと考えると、動画サービスはあらゆるジャンルで増えていくでしょうね。
——(寺田有希、以下同)ここで、次の話題に行こうと思うのですが……。
堀江 いや、もう少し動画について話したいんですけど、いいですか?
森川 ええ、もちろんです。