堀江 森川さんが動画コンテンツの行く先をどう考えているのか、というところなんですけど。
森川 ああ、はい。
堀江 C CHANNELで、いったいどんなことをしようとしているんですか?
森川 それを一言で言うと、僕たちは、ユニクロのような世界をつくろうと思っています。
堀江 ユニクロのような世界?
森川 ユニクロ以前のアパレルは、Aという会社でデザインして、Bという会社の工場で丁寧につくって、Cという会社の店頭でプロモーションをかけて売っていました。複数の会社をまたぐ分、商品にコストが上乗せされていたんですよね。それを、ユニクロは企画・製造・販売を一気通貫にすることで中間マージンを削減し、安くいいものを提供できるようになった。
堀江 そうですね。
森川 動画も同じことで、いろいろな人が関わればコストがかさむのは当然です。逆に、「ユニクロ方式」を採用する、つまり撮影をスマホの自撮りに限定したり編集作業を内製すれば、コストを抑えることができるわけです。
堀江 はい、はい。
森川 つまり……動画って、本質的には人件費なんですよ。
堀江 ああー。
森川 いま、動画のユニクロを目指している僕たちは、現にテレビの100分の1のコストで動画をつくっています。クオリティが違うと怒られるかもしれないけれど、元テレビマンのメンバーもこだわりを持ってやっている。ここの構造は、変わりますよ。
堀江 なるほどなあ。ピクサーのジョン・ラセターも「iPhoneとGo Pro(ヘルメットカメラのようなウェアラブルカメラ)のみで撮影された映画がアカデミー賞を受賞する日が来る」と予言しているし、「コストが高いほどいい動画になる」という時代はとうに終わってしまったんでしょうね。