保険料控除の節税は、
それほどメリットがあるわけでない

 以前、低金利だから個人年金は勧めないといった内容をあるコラムで書いたところ、読者から「保険の予定利率は低いけれど、保険料控除で税金が安くなるから、利回りはアップするのでは」といった質問を受けたことがある。

 個人年金保険料控除は、最大で年4万円。保険料を月1万円、年12万円支払ったとしても、控除の対象となるのは4万円までで、残り8万円は切り捨てられる。住民税の控除は最大年2万8000円と、さらに切り捨て分は多くなる。

 個人型確定拠出年金のように支払った掛け金全額が控除の対象になるならともかく、個人年金は保険料の一部しか控除されないので、利回りアップを期待するほど節税の効果は大きくない。

 話が少し脱線するが、どうもみなさん「税金が安くなる」という言葉に弱い。税金が安くなるのは確かにうれしいことだが、「自分の場合」や「この場合」はどうなるのかと考えないと、言葉は悪いが「コロッとだまされる」かもしれないので注意しよう。

 住宅ローン減税がいい例だ。広告に「2017年末までにマイホームを購入すると年最大40万円の減税が10年間受けられます!」とあると、多くの人が「400万円の減税!すごい、今が買い時だ!」と思い、購入をあせる。

 現在の住宅ローン減税は、年末時点のローン残高の1%、最大年40万円の減税が10年間受けられるというもの(消費税がかかる一般住宅を購入した場合)。つまり、400万円の減税をフルに受けることができるのは、年40万円以上の税金を納めていて、10年後もローン残高が4000万円以上ある人だけ。

 10年後もローンが4000万円以上あるということは、当初5500万円以上借りている計算になる。両方の要件を満たし、フルで減税を受けられるのはごく限られた人なのである。「税金が安くなる」というセールストークにはくれぐれも気をつけよう。