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「働き方」という経営問題―The Future of Work―

デジタルによる新しい働き方は
効率だけでなく、稼ぐ力も強化する

――アダム・ワービー アバナードCEOに聞く

ダイヤモンドIT&ビジネス
【第23回】 2015年6月26日
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――たとえば小売業では、消費者が量販店の店頭で店員に詳しい説明を聞いて納得したのに、店では買わず、その店のオンラインサイトで購入するようなことが起きています。このとき、店頭での接客の貢献度もなんらかの方法で評価されるべきではないでしょうか。

 まさにそういうことをしっかり評価する仕組みを作らなければ、企業がデジタル時代の新しい働き方を取り入れていくことは難しいでしょう。経営者にとって、非常に重要なテーマです。

働き方の改革は
「外圧」からでもかまわない

――デジタルによる産業の構造変化が起きる中、日本の生産性は先進国中最低という調査結果もあります。なぜ、日本の生産性は低いと思いますか。

 日本企業は変化に対してやや保守的だと感じています。そのため、デジタルへの対応が全体としては少しゆっくりなのではないでしょうか。

 ですが、いくつかの企業では変革への動きが始まっています。たとえばアバナードがお手伝いをしているある企業では、日本を含む全世界の事業所で働く約17万人のワークスタイルを変革しようという取り組みを開始しています。

 また日本主導でなくても、海外の拠点が働き方を変えていく中で、日本も追従せざるを得なくなるケースも増えています。それでも構いません。海外の企業では、伝統的な製造業などでもまったく新しいビジネスモデルを取り入れて事業を大きく変えている例がいくつもあります。

 デジタルによる業務改革は、すべての業種で避けて通れない道です。ですが、この革新はまだ始まったばかりです。私は楽観的なので、日本の生産性がこのまま低迷するとは思っていません。

 ただし、企業の内部で起きていることは真摯に受け止める必要があります。それはなにかというと、IT導入に関するガバナンスの変化です。

 5年ほど前までは、CIOを頂点とするIT部門がシステムの導入に関する権限をほぼ握っていました。しかし今は、マーケティング、人事、営業など現場部門が中心となって、それをIT部門がサポートするスタイルをとる企業が増えています。すでにIT予算の約40%が、IT部門以外の決済によって実行されているという調査もあります。ITはIT部門のものでなく、「企業のもの」として経営者が推進していく時代なのです。

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「働き方」という経営問題―The Future of Work―

人口減少による働き手の不足と経済・社会のグローバル化が、企業経営を取りまく大問題となっている。そのなかで、企業が競争優位性を築くためのキーワードとして浮上しているのが「ワークスタイル変革」だ。識者への取材や企業事例の紹介を通じて、すべての企業と働く人に問われている「働き方」の課題を明らかにしていく。

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