前回は、ストレスをコントロールするということは、ちょうど振り子の紐を長くしたり短くしたりすることに似ている、そうしながら、紐の先についているオモリ(自分自身)の揺れを大きくしたり小さくしたりすることだとお話ししました。

 ストレスが溜まって疲れてきていると感じたら、紐の長さを短くして、揺れを小さくして、力が戻ってきたなと感じたら、また長くして揺れを元に戻す。こんな感じです。では、いつ、長さの調整をすればいいのでしょうか。いつ揺れの調整をするのでしょうか。その時期について話しましょう。

 まず、紐の長さの調整は、ストレスが抵抗力の限界を超えそうな、その手前でやらなければなりません。振り子の揺れが手に負えないほど大きくなってしまってから、短くしようとしても遅すぎるということです。ストレスが抵抗力の限界を超えてからでは、意味がありません。そこから始めるストレスコントロールでは、遅すぎるということです。

ストレスに気づくための
3つのポイント

 限界を超える前に気づくためのポイントとして、以下の3点を挙げておきます。

1)疲れが翌日に残る

 人は一晩眠ることで、前日の疲れはとれていなければならないのです。翌朝に昨日の疲れを持ち越さない。これが、本来の健康な状態です。

 しかし、現代社会では、大人どころか子供すらも、疲れが一晩でとれることは珍しく、翌日に持ち越している人が多いのです。少しずつであったとしても、疲れが蓄積しています。多くの人が、肉体疲労も精神的疲労も、翌日に持ち越しながら生活しているのが、現代社会の特徴です。睡眠不足も問題ですが、その前に、自分の疲労の蓄積量に気づかないことの方が深刻です。自分のストレスの限界が来る前に、「疲労感への気づき」を訓練しなくてはなりません。

 ですから、「いつ気づけばいいのですか?」という質問に対する答えは「毎日」です。毎朝目覚めたとき、前日の疲れが残っていないか、毎日確認したほうがいいのです。