柏崎刈羽の安全性は世界最高水準
再稼働させない理由はない

──安倍政権は、NRAが合格とした原発だけを再稼働させることとしている。つまり、政治がNRAに丸投げしている状態だが、これをどう思われるか。

 日本の国民や政権がそれで良いのであれば仕方ないが、健全な在り方はそうではない。原発が長期停止している状態が安全上いかにマイナスの影響をもたらすか、ということをNRAは本当に理解しているかどうか疑問だ。長期停止していると、現場職員たちは運転の感覚を失ってしまうし、設備や機器も劣化する可能性が高い。

 稼働しながらでないと、良いパフォーマンスを発揮できない。原子力安全の基礎は、定期的に稼働していることによって成立するもの。安全については「絶対的な安全」と「合理的な安全」の2つの考え方があるが、今のNRAは「絶対的な安全」を求めているので、「合理的な安全」とはなっていない。

 稼働していることのもう一つメリットは、何か不具合があった場合に即応するようになり、危機意識も維持できることだ。しかし、稼働していなければ、何かあった場合でも停止しているので現場職員は妙に安心してしまい、危機意識が希薄になる。ひいては、プラント全体の安全水準も低下する。

──それは例えて言うなら「ペーパードライバー」であり、そんなドライバーばかりでは交通安全のレベルは向上するはずもなく、逆に危険な状況が生まれてしまう。

 まさにその通りだ。停止し続けること自体は簡単だが、停止し続ければ安全レベルが維持されるというわけではない。

──ところで昨日、東電・柏崎刈羽原発を視察されたそうだが、福島事故の教訓はどのように生かされているとお考えか、また、安全レベルはグローバルスタンダードに照らしてどうか。

 私の知識で見る限り、柏崎刈羽原発は、今すぐ再稼働できるほど十分に安全性は確保されており、私がこれまで原子力界で見てきた多くのプラントのいずれもはるかに超える対策が講じられている。柏崎刈羽原発の安全対策は世界最高水準。米国政府ならば再稼働させない理由はない。

──福島第二原発についてはどう思われるか?

 きちんとした安全対策を講じれば、技術的には再稼働は十分できると思う。安全対策にかかるコストと比較しながら、再稼働するかどうかを決めるのは東電だ。その場合、技術的な問題ではなく、政治的な問題が障害になるかもしれない。