そんな習近平に忠誠を誓い、表すかのように、全国各地における共産党組織が、自らの党組織のなかで“優秀な”党員を表彰した。たとえば、北京市朝陽区は94周年座談会を開き、約200名の優秀な党員を出席させた。また、湖北省武漢市にある中南民族大学や陝西省にある西北政法大学、山西省にある山西大学など、全国各地にある大学の共産党組織が優秀な党員を表彰する大会を一斉に開催した。

 なかでも、習近平総書記の母校である清華大学の大会には世論の注目が集まった。陳旭党委員会書記が談話を発表し、次のような指摘をしている。

「今日、本学党委員会は50の先進的な党支部、100名の優秀な共産党員、60名の優秀な党建設と思想政治工作者を表彰し、かつ5名の党業務に30年従事した同志の年功を表彰した。これらの集団や個人は、本学における1200以上の党支部、2万人以上の党員のなかから推薦・選抜された優秀な代表である」

 大学機関における表彰大会でとりわけ強調されたのが、現在共産党中央が“教育課題”として進めている“三厳三実”という全国の党員に対する要求である。ちょうど7月1日に行われた中央全面深化改革領導小組第十四回会議において、習近平“組長”が談話のなかでそれを呼びかけている。

「幹部たちが、自らに厳しく身を修めているかどうか、厳しく権力を用いているかどうか、厳しく己を律しているかどうか、物事へと取り組みが実質に基づいているかどうか、創業が実質に基づいているかどうか、人としての振る舞いが実質に基づいているかどうか、は改革を全面的に深化させていくうえでの重要な試金石になる。“三厳三実”の要求を改革におけるすべてのプロセスで貫徹させなければならない」

習近平の執政スタイル・観念を
赤裸々に体現する“三厳三実”

 この“三厳三実”は、習近平の執政スタイル・観念を赤裸々に体現しているように私には思える。本連載では、習近平政権初期における2つの特徴として、反腐敗闘争とトップダウン型で推し進める改革事業の動向を追ってきたが、この2大事業に三厳三実を当てはめると、三厳は反腐敗闘争を進める過程で習近平が全国の党員たちに要求する姿勢を、三実は改革事業を進める過程で習近平が全国の党員たちに要求する姿勢を指しているように解釈できるのではないか。

「習総書記は、国有企業や大学機関内にある共産党組織を含め、全組織・党員たちに徹底した反腐敗・反汚職意識を刷り込ませようとしている。それが共産党の団結力強化、そして人民たちの共産党に対する信任をもたらすと考えているからだ」(イデオロギーを担当する共産党幹部)