「市場価値」=
「その人にしかない専門的なスキル」ではない!

 市場価値というと、「その人にしかない専門的なスキル」を想像する人がいるかもしれない。実は特殊な能力を身につけるよりも、どんな企業でも通用するスキル「ビジネス基礎能力」を身につけることがはるかに重要なのだ。

 このことを、パソコンに置き換えて説明しよう。ビジネスパーソンの仕事力というのは、パソコンでいうOS(基本ソフト)とアプリケーション(アプリ)から成り立っている。アプリケーションとは、ワードやエクセル、パワーポイントなどのことだ。OSのみではパソコンは機能しない。アプリがあって初めてパソコンとして存在意義がある。

 しかし、アプリがサクサク動くかどうかは、OSの性能に大きく依存する。新しいOSであればアプリは快適に動くが、古いOSだとすぐフリーズしてしまう。人間の能力も同じで、専門的な能力(アプリ)に長けていても、それを受け入れる土台(OS)がなければうまく機能しない。逆に土台がしっかりしていれば、新たに専門的なスキルを習得することが容易になる。専門的なスキルは否が応でも日々の職場で身につけられるのだから、土台を鍛えなければならない。この土台こそが「ビジネス基礎能力」であり、あなたの市場価値そのものなのだ。

「社畜的価値観」とまでは言わなくとも、近い物をもっていると自覚している人はぜひ、1,2時間でも早く退社して、自己研鑽に充ててほしい。ビジネス書を読み、社会人講座を受け、社外の人脈を広げよう。

市場価値を形成する
13項目

 参考までに、「ビジネス基礎能力」の具体的な内容を説明する。下記13項目が当てはまるので、意識して鍛えてみよう。

1. 体力・健康維持管理力
文字通り、体力のこと。ビジネスの世界で成功を収めた人は皆、体が頑強だ。

2. 性格特性
性格タイプによって、リーダーの役割に向いているのか、個人作業のほうが得意なのかが変わってくる。あくまで特性なので、優劣ではない。

3. パーソナルバリュー保有力
人生や仕事における理念や価値観をどれほどはっきりと持っているか。