『中谷彰宏の人生道場』テーマ第3弾は「大人のマナー」です。マナーには2通りあって、おじぎの角度やタクシーに乗る順番など、新人研修で習うマナーは「守りのマナー」と言えます。しかし、実践で役立つのは臨機応変に対応しなければならない「攻めのマナー」の方です。今回から、一般的には紹介されることの少ない「攻めのマナー」を伝授していきたいと思います。
名刺は、先に出されたら負け。
究極、名刺は出すスピードです。
名刺交換の仕方として、「名刺は両手で持ち、名刺入れを座布団のかわりにして」と教わります。
でも、名刺をモタモタと出す人は、仕事ができないと判断されます。
名刺交換は一番最初に行われるセレモニーです。
「どうも、ご挨拶が遅くなりました」と言いながら、素早く出す。男性なら内ポケット、女性ならカバンから素早く出す。名刺を出すスピードの速い人は、仕事ができます。
より大勢の人に会って、たくさん名刺交換をしている人は名刺を出すのが早くなります。
仕事のできない人は、すべての行動がダンドリ悪くモタモタしています。こういう人は、名刺を出すスピードが遅いのです。
名刺入れの中をかき回して「えーっと」と探す人がいます。名刺の整理ができていないのです。1週間前にもらった名刺があったり、ひどい人になると、他人の名刺を渡します。
人の名刺がたくさん入っているのに「すみません。名刺を切らしていまして」という人はダンドリが何もできていません。
これは、毎日の出会いをきちんと整理して、お礼状を書いて名刺入れに管理するということができていないのです。
名刺入れの中が、乱雑になっている人は、仕事ができないということです。
その人の机の上の状態や仕事のダンドリは、すべて名刺入れに出ます。これが名刺を出すのが遅くなるということです。
自分より目上の人が名刺を出して待っているのに、「ちょっと待ってください。あ、ありました」と言って、そこから折れた名刺や汚れた大昔の名刺が出てくる人がいます。
両手で渡す、名刺入れを座布団がわりにするということ以上に、相手に先に出されたら負けです。
名刺交換は、スピードが命なのです。
【大人のマナーその1】名刺を早出しする練習をしておこう。