「うわぁ~、上手い!!!」
走りのメリハリがある。
ベストタイミングでガツンとブレーキングする。
操舵角度が的確だ。
コーナーリングでのアクセルオンが速い。
ドリフトアングルが少し大きいと、カウンターステアを綺麗に当てる。
アンジュレーション(高低差)が激しい難コース、1周約4kmの米カリフォルニア州ソノマレースウエイ。最高出力560馬力、0~100km/h加速3.7秒のアウディ製スーパーセダン「RS7」をベースにした自動運転車、愛称「ロビー」が究極の走りを披露した。
筆者はヘルメット装着で助手席に乗車。隣に座るアウディ本社のドイツ人若手技術開発者は運転者ではなく、手放し&足放しの「運転管理者」だ。
まずスタート&フィニッシュラインで「ロビー」は一旦停止。運転管理者が「さあ、心の準備はできましたか?」とニコリ。次の瞬間、「ロビー」はアクセル全開のロケットスタート!トルクとパワーのベストバランスを考慮して6800rpmで次々とシフトアップ。急勾配の左コーナー・ターン1を一気に駆け上がっていった。
タイムは、2分2秒66。
降車してすぐ、今度は筆者が量産型「RS7」の運転席についた。こちらも最高出力は560馬力。先導するアウディ「R8」を追いかけながら、今度は筆者自身がタイムアタックする番だ。1980年代後半、このコースで何度かレース参戦した経験を頼りに、老体に鞭打って「ロビー」のタイムに挑戦だ!
タイムは、2分00秒17。
「ロビー」に約1.5秒勝った。
だが、「RS7」の降車直後の筆者の実感としては「運転技術ではロビーに、完全に負けた」と思った。「ロビー」の動きは決して、ロボットのような「冷たい動き」ではなく、リズム感がある「血の通った完璧な走り」だったからだ。
この日は、各国のジャーナリスト10人が参加。午前中は曇り、午後は晴れで気温が上がり路面状況が変化したにもかかわらず、ロビーのタイムは2分2~3秒内でコンスタントだった。
またこの前日の7月7日の午後4時過ぎには、自動運転車「ボビー」による無人走行のデモンストレーションも見学した。