「ミニ・ビジネスケース」を作成せよ

――ハイスさん自身の大企業勤務経験があってこその詳細なタイムテーブルですね。

FORTHはしっかり準備された探検なのです。もう1つ、保守的な大企業では枠からはみ出すクレージーなアイデアは歓迎されません。FORTHのプロセスでは数多くのクレージーなアイデアを出した後、「テスト」の段階を通ることでもう一度アイデアを枠の中に戻すようにしています。事業化したときの収支をシミュレーションし、利益が出ることを示す「ミニ・ビジネスケース」を作成するのです。ビジネスケースがあると、社内の経営層からの支持を得やすくなります。

こうしたプロセスを学んでいただくと、「イノベーションは難しいことじゃないんだ!」と自信をもってもらえます。このメソッドを伝え始めて10年、多くの企業で成果が上がっていますので、翻訳出版を機に、日本でもイノベーションが起こることを願っています。