「弱者ぶる人」に腹が立つとき

「○○ハラ」の言葉を嫌う人の「なんでもかんでもハラスメントだ」という言葉についてもう少し考えてみたい。

 これは前回触れた、弱者が権利を主張するときに起こる反発の話と同じだ。弱者の立場に立って考えてみると「なんでもかんでも~~」という人の横暴を感じるのだが、いったんそう言う人の気持ちになって考えてみよう。

 たとえばマタハラの問題のときに、「時短勤務を取るのはいいけれど、勤務時間が短いのに勤務時間中に無駄話ばかりしていたり、“コンビニ休憩”が長かったり。時短勤務で同僚に負担をかけているという自覚がなく、『私は子どもがいるから大変』『独身の人はいいよね』というアピールばかり。子どもが熱を出して休むときも『すみません』の一言も言わない。女性の活躍だなんだと言われても、こんな女性は応援したくない」というような意見。

 もしくはパワハラの問題。「入社して2年目の社員が、優秀な後輩が入ってきた途端に後輩いびり。注意をすると周囲に当たり散らして無断欠勤。連絡すると『上司からの叱責が怖いので、もう会社に行きたくない。パワハラだと思うので訴えたい』と言う。『出勤できないのは会社側の責任なので出勤扱いで給料をいただきたい』とも。SNSでは元気に、自分はいかに仕事を頑張っているかということを書き込んでいる」というような意見。

 2つのエピソードはどちらも少し話を変えているが、似たケースを実際に聞いたことがある。こんな例を聞くとさすがに、「それはないだろう」と思う。後者のような例は私も経営者として似た経験があり、思わず「会社に貢献する気がない人に限って自分の権利だけは強く主張するのだな」「“最強の弱者”って本当にいるのだな」と思ってしまった経験がある。日頃、ハラスメントや女性の働き方、生活保護などに関して弱者の権利を守るような記事を書いてきただけに、自分を試されるかのような「痛い」経験だった。

 弱者が権利を主張することに対して手厳しいことを言う人を見るたびに(私の書いた記事に対する批判的な意見として、それを見ることもある)、このときの経験を思い出す。そして批判している人はもしかしたら過去にこういった「痛い目」に遭ったことがあるのかもしれないと思う。