実際に日本が戦争する可能性があるとしたら、北朝鮮しかない。中国とは外交でうまくやることに全力を注ぐ。基本的には、東シナ海のガス田も尖閣もそこで意地を張り通すよりも、どこかで「棚上げ状態にできませんか」という提案をする。共同開発とか共同観光地とか、国家という枠組みを非常に曖昧にするような解決方法を探る。そういう外交的な発想があってもいいではないか。

 安保法案の議論の際、昔とは国際安全環境が変わったと強調されていたが、それは恐怖を煽ってでっち上げているプロパガンダだ。スプラトリー諸島に中国が軍島をつくっているのは、フィリピン、インドネシア、ベトナムなど東南アジアの国々にしてみれば脅威だが、日本の存立危機にはつながらない。シーレーンのことを持ち出す人もいるが、万が一シーレーンが封鎖されたらそれは宣戦布告に当たる。

そもそも中国にとって日本と
戦争をするメリットはない

 果たして、そこまでのことを中国はやるのか? そもそも日本と戦争をするメリットがない。日本は東南アジアの国と中国への共同監視体制をとればいい。日本の存立危機と関係ないところで集団的自衛権を行使して攻撃したら、それこそ戦争だ。

 また、中国や北朝鮮が核兵器を保有しているから、日本も核武装して抑止力を持った方がいいのではないかという意見もある。北朝鮮に対しては抑止力になるかもしれないが、中国に対しては抑止力にならない。日本人は、冷戦時代から核の脅威という緊張感の中でずっと耐えて生きてきた。核を持たずとも、国民全員が「絶対に侵略は許さない」と思っているだけでいい。これが最大の抑止力になる。

――小林さんのお話は、自民党の右翼の人から見るとすごく左翼的に聞こえそうですが、小林さんは左翼とはどう違うのですか?

 自衛隊を軍隊にすると言っているところが、一番違う。軍隊にして日本に主権を取り戻す。左翼の人たちが言っているのは、日米安保を前提にした平和主義であって、米国依存。安保反対と主張しても、安保が破棄されることがない前提で、沖縄の基地に反対する。保守も左翼も親に守ってもらっているニートみたいなものだ。親が見えているか、見えてないかの差ではないか。

 あくまでも自国は自国の軍隊で守るのが基本。日本が米国から主権を取り戻し自立した上で、部分的に安保を結ぶのであればいいが、今のように米国に依存し切って言いなりになっている日本は「奴隷国家」であって、真の独立国ではない。米国が日本の自立を認めないのならば、世界に訴えればいい。日本は、正当なことを言い続けなければならない。