お金を貯めるために家計簿をつけている方も多いでしょう。しかし断言します。これまでの家計簿をそのまま使っても、なかなかお金を貯めることはできないでしょう。理由をお伝えします。

既存の家計簿が抱える
3つの問題

前回の記事では、「1行家計簿」の概要についてお伝えしました。さて本日は、1行家計簿を生み出すきっかけともなった「既存の家計簿が持つ3つの壁」についてお話しします。

既存の家計簿ではお金が貯まらない! その3つの理由とは?

(1)続かない――継続の壁

 家計簿をつけようと思い立ってすぐにやることは、すべての出費を家計簿に記録すること。しかし、仕事で疲れてクタクタになって家に帰ってきてから、日々の出費を記録し続けるのは、非常にハードルが高いといえます。

 また、「レシートをためて週末に一気に処理しよう!」と思っても、まずレシートの量に圧倒されるでしょう。そして、何を買ったのかよくわからないレシートや、そもそもレシートがない出費もあり、思い出すだけでもひと苦労です。

 こんなに大変な後処理である家計簿の記録は、気合と根性ではなかなか続きません。しかし、ここでよく考えて頂きたいのです。はたして家計簿は、すべての項目を記録する必要があるのでしょうか?

 私の考える家計簿の目的は、「ムダな出費を減らし、浮かせたお金を、自分の好きなことに使うこと」。であれば、誰かに報告するわけではありませんし、すべての項目を記録する必要はなく、自分が考える「ムダな出費」だけを記録すれば十分ではないでしょうか?

そのため、「1行家計簿」では、自分がついつい使ってしまう出費のうち、最も改善したい出費を1つだけ選びます。これを「節約ターゲット」と呼んでいますが、この節約ターゲットを記録をしていくだけなのです。

 出費の種類によっては、月にせいぜい5~8回程度。多くても20回前後です。20回といっても、これまでの家計簿に比べて1項目しか書かないので、1日10秒で記録は終わってしまいます。