東北大震災のときには、震災に遭った子供たちを勇気づけようと、河口湖にある自分の自然体験のキャンプ場にできるかぎり呼び寄せました。300人ぐらいいて、いまもまだ続けています。ちょうどがんの手術で生き永らえたころで、これまで培ったサバイバルの経験をこの子供たちと体験しているうちに、このために活かされたんだなと勝手に思い込んでいきました。と同時に、ログハウスについても、家造りを根本から考え直していくことになります。

瀬戸内海の無人島
「ありが島」で過ごす週末

自然の中にいると、家の在り方が見える <br />清水国明(タレント・冒険家)インタビュー週末は国太郎くん(8才)と一緒に「ありが島」で過ごす。ゲーム機には目もくれず、自然の中を走り回っている

 いま瀬戸内海のど真ん中に浮かぶ無人島でキャンプ場&リゾートプロジェクトを進めています。「ありが島」と名付けました。最初は水道や電気、ガスなどなんにもありませんから、体は汚れ放題、用を足すのも自然の中だったので、自宅に帰ったときは、すごく感動しました。水が出る、お湯が出る、トイレで用を足せる、本当に涙が出ましたね。いまの文明に感謝でき、当たり前のことに感謝でき、心から「ありがとう」と言える島だということで、名付けました。

 1週間、仕事で全国を駆けずり回って、金曜日になると息子を学校に迎えにいって、一緒に無人島へ連れて出掛けます。普段は夜遅くまでゲームをやっているらしいのですが、島に行くとゲームには目もくれず、満ちてくる潮や、浜辺のカニを必死になって追い掛けています。子供がゲームをやめないと嘆くより、それ以上に楽しいものを親が教えなければいけないのに、現実は親がゲームの面白さに負けているんです。

喜び、うれしさを
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 何の経験もないのに、ある日突然に夢中になることがあるでしょ。それは祖先が持っていた好奇心や欲求が遺伝子の中に組み込まれているからだそうです。私の祖先は矢尻を磨いていた狩人だったと思っています。釣りをしたりヤギを追い掛けていると、ワクワクしますし、ナイフを研ぐと一心不乱になりますからね。

 東京生まれだから、都会育ちだから、自分には合わないと思っておられるかもしれませんが、実際、大自然の中に立つと、自分の中にある祖先や自然の声が聞こえてきます。

 1個のリンゴを二つに分けて食べると量は半分になりますけど、おいしいねって共感し合える仲間が生まれて、おいしさが倍になります。3人だとさらに増えていく。喜びやうれしさをシェアする仲間が増えるほど人生は豊かなものになります。そして、血縁とか、職場とか、地域とかの縛りのない、好きなことでつながった縁は死ぬぎりぎりまで切れることなく、死んだ後もお互いの心の中でつながっていきます。(談)

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