個人ブログが大ヒット
ノウハウは本職に生かす

和田 こんなにたくさんの「笑い」を提供されている方なのに、なぜ芸人さんにならなかったのですか? バラエティ番組の放送作家とかシナリオライターとか、まさに林さんにぴったりだと思います。

  いやいや、僕は芸能界みたいな世界じゃなくて、普通のサラリーマンになりたかった人なので。

和田 あはは、本当に? 林さんはフリーランスのような自由な空気感を纏っていますけど、歴としたニフティの社員さんなのですよね。

林  クリエイティブプランナーという肩書きですけど、課長職のようなものです。

和田 入社してすぐは、普通にスーツを着て、サラリーマンしていたのですか?

林  そうですね。

和田 今は金髪にジーパンですね(笑)。一体、何があったのですか?

  普通の社会人としてはダメだったのです。新人のころ、オレの酒が飲めないのかって部長に言われて「飲めるわけねえだろ」と答えちゃったり……。でも、インターネットの世界は1から10まで全部自分でコントロールできますよね。だから、個人サイトで誰に遠慮することもなく自分が楽しいと思うものを追求していました。そしたら徐々に……

和田 つまり、プライベートで面白いサイトを制作するうちに、段々エスカレートしていったという感じかな?

  そうですね。それを本業でも生かして、今に至ると。

和田 なるほど。そもそも『ウェブやぎの目』の投稿企画「死ぬかと思った」
が書籍化されて、それが大ヒットしたのですよね。シリーズでばんばん出版されて、いまやベストセラー作家ですよ。

  そう、ばんばん売れたんですよ(笑)。個人サイトを立ち上げてから5年後に本になって、その反響が大きかったので、ニフティでも似たようなサイトを立ち上げたという流れです。

和田 それが、『デイリーポータル Z』だったわけですか。

  そうそう。

和田 私もいくつかお気に入りの記事がありますけど、よくあんなこと思いつくなと感心しちゃいます。どれくらいの頻度で更新されているのですか?

  1日3本ペースです。外部ライターさんが40名ほどいて、僕も月に2本はライターとして書いています。