「オワハラ」なしで
学生に選ばれる会社とは?

 そうした中で、本当に自社に来てくれるのかどうか見極めることは大切であるものの、行き過ぎた囲い込みを行うと、「オワハラ」(就職活動終われハラスメント)と言われてしまいます。例えば、その場で他社へ辞退の連絡をしたら内々定を与えるという行動です。一方で、こうした行為は会社側としてもこの学生に入社してほしいという熱意の現れですから、このバランスは非常に難しいものす。

 何もこうした囲い込みは新卒市場に限ったことではなく、都道府県が行っている公共事業などでも見られます。未就職者に公共事業として就職支援をする場などで、複数業者が受託している場合には、応募者の取り合いになるケースがあります。

 そこでも、「今から他社に辞退の連絡をしてくださいと言われました」という声を多く聞きましたし、人員確保を優先とする場合には囲い込みは決して珍しいとは言えません。しかし、こういった事例はインターネット上ですぐに広まります。法的には効果はないものの、内定承諾書を用意したり、(他社を辞退するまでの)内々定の期限を設定する手法も存在します。

 こうしたオワハラなしに学生から選ばれる方法はないのでしょうか。私が特に大切だと思うのは、学生との対話の時間です。ほとんどの面接では、最後に学生からの質問を受け付ける時間が用意されていると思います。質問の返答によって、学生側の満足度も大きく変わってくる場合があります。

 前述したように面接官が人事部社員だけでない場合には、直接現場に携わっている社員の話が聞けたり、あるいは一定の役職についている方の話を聞いたりすることで実際に勤務する際のイメージが大きく膨らみます。

 さらに、面接の対応において会社の志望順位が変わる可能性もあります。ただ志望動機などで学生を一方的に秤にかけるのではなく、社会に踏み出すことへの不安まで一緒に聞き出し、その上で社会人としての模範となるような接し方をしていきたいものです。