ベストセラーとなり、名著『幼稚園では遅すぎる』著者でソニー創業者の井深大氏も絶賛した、久保田競＋久保田カヨ子著『赤ちゃん教育』（1983年刊、その後絶版）。
あまりに貸出が多く本がボロボロになり、国会図書館からも消えた。
アマゾンマーケットプレイスでは、10,056円のプレミア価格がついた。
そんな“0歳からの伝説の育児バイブル”が、最新の脳科学データをアップデート＆190点近いイラストも一新して完全リニューアル！
発売以来話題を呼んでいる本書は、Amazon.co.jp「子育てジャンル」でも常にベストセラーとなっている。
なぜ、お母さんだけでなく、お父さんにも『赤ちゃん教育』が支持されているのか？
脳科学の世界的権威である久保田競氏と『中居正広の金曜日のスマたちへ＜金スマ＞』（ＴＢＳテレビ系）で“脳科学おばあちゃん”と紹介された久保田カヨ子氏だが、クボタメソッドの原点はすべて『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』にある。
今回は、「脳科学の権威」に、沖縄の「女性長寿日本一」の村で感じた、脳科学的に正しい子育ての極意を教えてもらった。
自分の生んだ
子どものニコニコ顔を見ると……
久保田 競 （Kisou Kubota）1932年生まれ。医学博士、京都大学名誉教授。世界で最も権威がある脳の学会「米国神経科学会」で行った研究発表は日本人最多の100点以上にのぼり、現代日本において「脳、特に前頭前野の構造・機能」研究の権威。2011年、瑞宝中綬章受章。『ランニングと脳』『天才脳をつくる0歳教育』『あなたの脳が9割変わる！超「朝活」法』など著書多数。
沖縄本島の中心部で、那覇市の北方に「北中城村（きたなかぐすくむら）」という人口1万6974人（2015年7月末時点、うち外国人は320人）の小さな村があります。
この村では子ども教育に熱心で、去る8月23日（日曜）に、『子育てシンポジウム』が開かれました。
私も「0歳からの脳育法」の講演と子育てシンポジウム「子どもが健やかに育つための良い習慣とは」への参加を頼まれ、参加しました。
「0歳からの脳育法」では、私の『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』と「それ以後の教育」の自論を話せばいいので、引き受けました。
このシンポジウムの狙いは、親も子どももニコニコする子育てができるようにすることでした。
私がシンポジウムで言ったのは、『赤ちゃん教育』で紹介した「Ｃ線維カレス系システム」を親子でしあえば、快感が発生して、どちらも笑顔になれるので、そうなれる遊びを勧めればよいということでした。
女性の平均寿命が89歳で日本一の村
久保田カヨ子（Kayoko Kubota）1932年、大阪生まれ。脳科学の権威である京都大学名誉教授・久保田競氏の妻で2人の息子の母。長男が一級建築士、次男が東京大学に合格。約30年前に、日本における伝統的な母子相伝の育児法を見直しながら、自身がアメリカ在住時と日本で実践してきた出産・育児経験をもとに、夫・競氏の脳科学理論に裏づけされた“0歳から働きかける”クボタメソッドを確立。テレビなどで「脳科学おばあちゃん」として有名。『カヨ子ばあちゃん73の言葉』『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』『カヨ子ばあちゃんのうちの子さえ賢ければいいんです。』など著書多数。ズバッとした物言いのなかに、温かく頼りがいのあるアドバイスが好評。全国からの講演依頼もあとをたたない。
じつは、今回の私の沖縄訪問には、別の目標もありました。
最近の日本の女性の平均寿命は86歳で、世界一です。
北中城村の女性の平均寿命は、89歳で日本一です。
その秘密を、自分の目で見て確かめたかったのです。
講演では、『赤ちゃん教育』の話をしましたが、自分の産んだ赤ちゃんのニコニコした顔（幸せそうに見える顔、微笑、機嫌のよい顔）を見ると、お母さんの脳の特別の場所が働くという最近の脳研究の成果を紹介しました。
働くのは、ドーパミンを伝達物質にしている腹側被蓋野（Ａ10神経核）と黒質（Ａ8神経核）です。
腹側被蓋野（Ａ10神経核）が働くと、「動機づけの脳回路（中脳皮質辺縁系）」が働き、側坐核が働いて快感が発生し、前頭葉のすべての領域がうまく働けるように準備をしてくれます。
黒質（Ａ8神経核）が働くと、大脳基底核が働いて随意運動（自分の意志によって行われる運動）をうまくするのを助けてくれます。その結果、お母さんもニコニコ顔になり、赤ちゃんにしてあげればよいと思うことを、懸命に実行します。
前頭前野、運動前野、運動野や大脳基底核が働いて、赤ちゃんのためになることを実行することになるのです。
つまり、自分の赤ちゃんのニコニコ顔を見ると、なにかをしてあげたくなるわけです。
