総労働時間はリーマンショック直後並み
実は雇用の回復感は強くない

 2012年末の円安転換をきっかけに、雇用者数は増加に転じた。2012年末に5485万人であった雇用者数は、2014年末には5634万人に増加し、2015年入り後も増加基調が続いている(図表1)。雇用者数は水準で見てもリーマンショック前を大きく上回るなど、その回復力は非常に強い。

(出所)総務省「労働力調査」

 一方で雇用者数の前年差を雇用形態別に見てみると、正規雇用者については減少が続いていたのが、足元でようやく増加に転じたに過ぎない。こうした中、正規雇用者の減少以上にパートアルバイト労働者が増加してきたことで、雇用者数全体の増加基調が続いてきたことが分かる(図表2)。パート労働者の増加が牽引役であったため、雇用者に占めるパート労働者の割合は2012年以降も高まっている。

(出所)総務省「労働力調査」

 また、パート、アルバイトなどの短時間労働者の労働時間を見ると、ここのところ減少基調が続いており、短時間労働者の中でもより労働時間の短い労働者が増えていることが分かる(図表3)。パートタイム労働者の一ヵ月あたりの平均労働時間は、2000年代初頭にはおよそ100時間弱であったが、足元では90時間を割り込む水準に低下している。

(出所)厚生労働省「毎月勤労統計」、季節調整は筆者