例えば、営業系の会社にもかかわらず、営業職の経験がない役員ばかりになった。あるいは、営業職を軽視していると思われる人事が行われた…など、気になる出来事がいくつも起きているのです。

 さらに、営業職を管理部門が縛り付けるような施策を取り入れる会社が増えていることも懸念を大きくする要素の1つです。それがSFAと呼ばれる営業支援システムの導入。取材した専門商社でも、SFAの導入を決定していました。

 SFAとは「Sales Force Automation」の略で営業職の行動を管理し、効率化することが目的。「勘」「根性」「経験」の営業から「科学的」「自動的」な営業へ改善することが目的と言われています。

 SFAを導入することで、本社管理部門からすれば営業職の業務が「見える化」できるので、大いに喜ばしいことでしょう。また、営業組織の属人的な活動に不安を抱いている経営陣にとっては期待の星に見えるのかもしれません。

 ただ、こうした取り組みは、営業からすれば嬉しいことばかりとは限りません。SFAが導入された営業部門では、日々の営業活動を事細かに入力して、その内容が逐一管理されるようになりました。入力は慣れないと手間がかかります。さらにその入力の手間に疑問を感じた優秀と評価されている営業職が、

「本社のために無駄な時間を取られるくらいなら辞めます」

 と退職届を出して、辞めてしまったのです。成績が優秀と言われる営業に限って、管理されることを拒みます。自分のやり方で成果を出しているのだから、好きにやらせてほしい…との発想なのでしょう。自分の営業スタイルを周囲に開示しない社員がSFAの導入で続々と辞めてしまうとなると、周囲の営業職たちが将来に対してますます不安になるのはもっともかもしれません。