夢や希望、不安と期待を抱き、新人営業マンとしての1ヵ月が過ぎた。自分の思い通りにいかず、歯がゆい思いをしながら仕事をしている人もいれば、このまま続けられるんだろうか、と悩んでいる人もいるでしょう。ただ、営業という仕事には、社会における大事な学びがあることをぜひ知ってほしい。
『「3つの言葉」だけで売上が伸びる質問型営業』の著者・青木毅氏と『営業が死ぬほど嫌いでもラクに結果を出せる36のコツ』の著者・嶋津良智氏を招いて、営業を通して、今何をすべきかを説く。 (撮影/安達尊)
トップセールスマンが皆、
最初から好きで営業を始めたわけではない
青木 『営業が死ぬほど嫌いでもラクに結果を出せる36のコツ』には、営業を早く卒業するという観点など、いかに早く成果を出していくかが書かれていて面白かったです。私は飲食業出身で、28歳で会社が倒産。中途採用で成り上がるためには、「営業」しか選択肢がなかったんです。しかも売れなかったら、お給料ゼロ。むしろ、マイナスで、それはもう必死でした(笑)。
嶋津 私にとっての営業は、やる前からやりたくなかった仕事でした(笑)。バブル絶頂の売り手市場にもかかわらず、就職活動でどこも受からなかったんです。当時、友人から「営業志望と言うと、内定をもらえる」と聞いて、その通りにして入社したのが最初の会社でした(笑)。
父が事務機器メーカーで働いていたので、販売会社を紹介しようかとも言われたんですが、断りました(笑)。当時は本当に人見知りで、知らない人と商談するなんて信じられませんでしたから……。
青木 私も人見知りが激しかったんです……。ただ、このままでは世の中を渡っていけないな、という危機感がありました。コミュニケーションを勉強しなければいけないと思い、営業の道を選んだのです。
嶋津 私は新卒でしたけど、営業という選択しかなかったところは一緒ですね。