同社はアパレル事業を手掛ける部門でニオイケアをするインナーなどを販売することもあり、営業担当者などを中心にニオイケアの意識は高いそうだが、男性比率が高く、工場のように顧客接点の少ない職場環境では、男性社員も対策を怠りやすい。一方で、ニオイの問題はデリケートで、なかなか不満も伝えづらい。そこで、同社の行っている職場の風通しを良くするATGプロジェクトが、女性社員たちが秘めていた不満を解決へと導く、いいきっかけになったようだ。

女性社員もニオイ対策に必死!
ブライダルスタッフの知られざる苦悩

エスクリが10月1日、汐留にオープンさせる結婚式場『LUMIVEIL TOKYO(ルミヴェールトーキョー)』。地上41階の空間では、新婦に常に“お姫様気分”でいてもらいたいもの…

 一方、グンゼのケースとは異なり、女性社員比率が高いにもかかわらず、ニオイを重大な問題と捉え、積極的な対策を始めている職場もある。

 ブライダル事業を展開するエスクリは、「ハードに頼らず、ソフトの力を信じる」というコーポレートスローガンを掲げる創業13年目の企業だ。顧客満足度向上を狙い、外部業者を通さずにブライダル業務の内製化を進め、「ワンストップサービス」を行っている。ドレスの着付けやヘアメイクなどもすべて自社スタッフによるものだ。

 着付けやヘアメイクを行うスタッフはすべて女性だが、夏も冬も問わず、毎日スーツを着て、至近距離で花嫁の着付けやメイクを行う。夏は冷房がかかっているものの、花嫁の快適な温度に設定されるためあまり涼しくはできない。一方、冬は花嫁が寒くないように暖房の温度は高めに設定されている。そのため、汗が気になる仕事だという。

1年を通じて黒のスーツを着用しながら、花嫁の至近距離でヘアメイクや着付けを行う

「お客様には“お姫様気分”でずっといていただきたいですから、決して不快感を与えてはいけません。ですから、スタッフ同士で『ニオイ、大丈夫?』と確認しあいながら、あらゆる消臭剤を駆使してなんとか乗り切っている状態でした」

 こう語るのは、ドレスやヘアメイクなどを行うビューティ・ライフプロダクトディビジョンディビジョンマネージャーの高橋熙美さん。同社ではこうしたニオイの問題を事前に防ぐために、社員に支給しているスーツは、速乾性・消臭機能に優れ、丸洗いできる素材で作られているという。さらに、「ニオイの根本的な対策法」を知りたかったという同職場では、今年初めてニオイセミナーを実施し、その方法を学んだと言う。

「ニオイの問題はとてもデリケートですから、女性同士でも上司が部下に言うのも憚られます。そこで、自分でケアをしてもらえるようにこの秋からは入社時の研修にニオイ対策も盛り込むことにしました」(高橋さん)

 もちろんニオイの問題に敏感なのは女性社員だけではない。ドレスなどを手掛ける同事業部には、バックオフィスで働く社員50人のうち男性が4人いるのだが、彼らは「周りの女性たちに自分のニオイをどう思われているのか不安」という悩みを抱えていたという。なかには「香りのするハンドクリームをつける」などをしていた人もいるそうだが、女性ばかりの職場に働く男性社員だからこそ、ニオイに敏感にならざるを得ない理由があるようだ。