だが一方で、「自国のために戦う意思」がある日本人は11%と、64ヵ国中で最も低いという国際機関による調査結果もある。

 2つのデータを比較して見る限り、一概に「日本大好き」な日本人が増えているかどうかは判断できない。「日本好き」な日本人は、実際に増えているのだろうか。またそうだとしたら、それは今の日本にとって何を意味するのだろうか。

保守的な考えを持つ人、反発する人
分断された日本人の心象風景

 まずは、筆者の周囲の人々の声を拾ってみた。

 ある20代の女性は、こう語る。

「日本人の海外での活躍や、海外の人から見た日本の魅力にスポットライトを当てるテレビ番組は、観ていて楽しいです。日本に住んでいたらわからないような、日本の良さに気づかされて、勇気が出るような気がします」

 一方で、こんな意見もある。 

「嫌韓・嫌中本のブームには、正直乗れません。書店で大々的に平積みされているのを見ると、オリンピック前なのにこんなことでいいのか、と疑問に思います。嫌韓・嫌中本を押し出している書店では、本を買いたくないというのが本音です」(30代・男性)

 実際に書店側からも、嫌韓・嫌中本のブームを疑問視する声が上がり、“反ヘイト本”のコーナーを設けるなどの動きも出ている。

 最近では安全保障法制を巡り、国会前などで激しいデモが繰り広げられている。SEALDsに代表されるように、現政権に対する若者たちからの反発も強い。かたや、こうした動きに対する批判も頻出していて、国民の間で“分断”とも呼べるような状況が発生している。

 SNSの普及により、誰でも気軽に政治的な発言ができるようになってきたことも、この“分断”を加速させている。リアルの場で親しくしている友人や同僚が、突然排外的とも受け取れる意見を投稿し、眉をひそめた経験をした人も多いだろう。各人の政治的スタンスが可視化されやすくなってきたことで、「日本好きな日本人」が増えている印象を持つこともあると思う。