日本国内にいながらでも、投資できる高利回り商品は多い。ただし、「高リターン」の金融商品として知られる「FXファンド」については、懐疑的に見ている人が大半だろう。ダイヤモンドQ編集部がその実態を探った。
ニューヨークを拠点に、ピーク時で140億ドルもの資産を運用していたFXコンセプツ。ギリシャショック以降、成績が低迷し、2011年にはリターンがマイナス3%に落ち込み、13年の破産申請に至った。
同じ年、日本国内ではFXファンドを運用するリミットインベステージが金融庁の警告を受けた。年利30%をうたって100億円近くを集めたものの、FX取引とは無関係な経費に流用していたほか、無登録業者を利用して勧誘活動を行っていた。
このようにFXファンドにまつわる話は、投資家を尻込みさせるものが多い。実際、怪しい業者が乱立している。今回、複数のFXファンドに取材を申し込んだが、大半は取材NGか電話が不通だった。「年利30%目標」などとうたいながら、その運用実態を明らかにしないファンドが多数存在するのだ。
そんな中、高リターンを持続しているファンドもある。その一つが、3年前に運用を開始した旧英国領のタックスヘイブン、ベリーズに拠点を置く某E社のFXファンドで、日本からでも購入が可能だ。リスクの高い商品なので、一定の金融リテラシーを持っていない人が購入するとトラブルになりかねないことから、ウェブ上での社名公開は差し控えた。詳細はダイヤモンドQ11月号を見てほしい。同ファンドでは投資額1000万円までの投資家には毎月の目標利回りを3%に設定。3000万円なら4%、5000万円なら5%と、その利回りは跳ね上がる。別途、入金時に4500~4800円の着金手数料が必要だ。この利回りはファンドマネジャーの運用報酬や管理事務手数料などを差し引いた数値。うまくいけば年利にして36~60%のリターンが懐に入ってくる計算だ。
その運用対象は、最もボラティリティ(変動率)の大きい英ポンド円。買いでも売りでも超アクティブに動いて、利ザヤを稼ぐトレードスタイルだ。変動率が大きいだけに、リスクも大きくなるが、開示してもらった取引履歴を見る限り、運用益が20%を超える月も少なくない。「目標利回りを越える利益は運用利回りがマイナスに転落したときに備えてプールしておくことで、毎月3~5%の配当を維持している」(E社代表)。