我究館館長。横浜国立大学を卒業後、(株)リクルートに入社。2009年、(株)ジャパンビジネスラボに参画。現在までに2500人を超える大学生や社会人のキャリアデザイン、就職や転職、キャリアチェンジのサポートをしてきた。難関企業への就・転職の成功だけなく、MBA留学、医学部編入、起業、資格取得のサポートなど、幅広い領域の支援で圧倒的な実績を出している。また、国内外の大学での講演や、執筆活動も積極的に行っている。著書に『絶対内定』シリーズがある。(撮影/宇佐見利明)
売り手市場の新卒採用。学生は難関企業からも意外と簡単に内定が出るような錯覚を持ってしまう。現実はそうではない。人気企業はいつも人気企業。景気の動向に関係なく難関だ。自分を知り、企業を知り、戦略を持って動かなければ結果は出ない。16卒の結果が出た人と、出なかった人を比較しながら、成果につながる動き方について説明しよう。
「大手企業のみ」がすべての敗因!?
「3月から就活スタート」は事実ではない。大学3年の秋、10月頃には外資の選考がスタートし、ベンチャーや中堅企業が続く。それゆえ、早めに企業の選考を受けることを僕はすすめている。
学生の考える「(仕事を通じて実現したい)ヤリタイコト」は、大手企業でなくてもできる。しかし、学生にとって企業は選びたい放題、つまり学生優位の空気の中では、就活生は大手以外の企業に関心がない。となると、大学4年の8月から始まる大手企業の選考まで、他社を受けない傾向がある。この「動き方」が失敗の原因なのだ。
就職留年を検討中の学生に「動き方はどうだったか」と聞くと、次のような言葉が返ってくる。
「総合商社だけ選考を受けて、全滅しました(早稲田大学 男子学生)」「大手メーカー数社受けて、すべて落ちました(立教大学 男子学生)」「商社、広告、政府系金融を受けて、早々と不採用の連絡をもらいました(東京大学 男子学生)」
ベンチャーや中堅企業を受けることなく、8月の本番に向けて超難関・人気企業だけをぶっつけ本番で受けている。
なぜもっと視野を広く企業を見なかったのかを聞くと「プライドがあった」「自分に自信があった」「売り手と聞いていたから、何とかなると思った」と言う。