先日、メタボ予防のための企業研修が終わった後、自己管理をきちんとしているであろう、引き締まった体型の50代の役員の方にグルッと囲まれました。
「先生。今、みんなで話していたんだけど、問題はさ…」
と口火を切られたので、何か問題があったかとドキッとしました。すると、
「これを、どう奥さんに頼めばいいのかってことだよね」
「そうなんだよね」
「ちょっと、これ、こうしてよ、なんて、怖くて言えないよ」
と、みなさんそれぞれにぼやきながら笑って、
「まぁ、結局はランチで選ぶのが一番だよね」
「オレは秘書に頼んで夜の会食は週に2回までにしてもらっているんだ」
などと、自分で選択できる場面でするべきことを各々にシェアする機会に恵まれました。
50代の方の食事記録を見ると、ご自宅での食事に煮物やきんぴらなど、昔ながらの日本のお惣菜が見られます。同世代の奥様が考えられる“ヘルシーな食事”とは、比較的安心してみていられます。旦那さんがダイエットをはじめたからといって、急にごはんを取り上げてしまうことなく、料理に使う油や砂糖、みりんなどの量を調整したり、揚げ物の回数を減らしたり、と家族みんなからクレームがこないようにやりくりできるケースが多くみられます。
ですが、40代前半くらいから下の世代になってくると、「煮物なんて作ったことがない」という言葉にあらわれているように、段々と料理を苦手とする方が増えてきます。また、ヘルシー志向の奥さまであっても、マスメディアで取り上げられるような、少し極端な食事が目立つようになります。そうなると、家族の健康を考えているはずが、思いがけない落とし穴にはまることもありえるのです。