ご紹介する優秀なリーダーとは、以前の私の上司ですが、彼は、他部署から噂されるぐらいの人気者で、秘書の私も知らないうちに、いつの間にか多くの人から信頼を得ている方でした。

 彼の発言を聞きながら様子を見ていると、部下から信頼されるために仕事をしていない、ということがわかります。

「部下から信頼されたい」

 そう思うなら、「部下から信頼されよう」と必死になりすぎないことです。

 逆説的に聞こえるかもしれませんが、これが真実なのです。

「信頼されたい」と努力すればするほど、部下に対してプレッシャーや緊張感を与えてしまっていることもあります。そのことに気づいていないのは、上司本人だけかもしれません。

「部下から信頼されたい」と思うのであれば、「部下」である相手に意識を向けるのではなく、まず、「上司」である自分に意識を向けることから始めなければなりません。

「部下がどう思っているのか」「部下の本音は何なのか」と相手に意識を向けるのではなく、「上司としてどうあるべきなのか」「上司としてどのような行動をとればいいのか」ということに意識を向けるのです。

 優秀なリーダーは、部下からどのぐらい信頼されているのかを測ろうと必死にならず、自分が自らのことをどのぐらい信頼しているのかに焦点をあてています。

 具体的に言うと、たとえば、自分の他者とのコミュニケーションの取り方を信頼し、自分の判断を信頼し、自分の意思決定を信頼するなどということです。

 何よりも自分自身を1番信頼しているのです。

 これは決して、傲り高ぶるという意味ではありません。また、傲慢な態度をとるというわけでもありません。部下や周囲への謙虚な姿勢を保ちつつ、自分を信じる強さを持っているのです。自分への信頼度を高めるために、「自分磨き」が必要になってくるのは言うまでもありません。

優秀なリーダーかどうかは
部下が「背中」を見ればわかる

 部下は何よりも、上司の「行動」を見ています。観察していると言ってもいいぐらい、よく見ています。

 部下のみならず周囲の人たちは、あなたの「背中」をよく見ているのです。子どもが両親の「背中」を見て育つということと同じです。

 私は秘書として、たくさんの「背中」を見てきました。

 寂しげな「背中」、意気揚々としている「背中」、物怖じしている「背中」、嬉しそうな「背中」、孤独な「背中」。

「背中」が語る。

 これは、長年秘書として働くなかで、感じとることができるようになった感覚であり、ベテラン秘書の方であれば、同じような感覚を持ち合わせていることでしょう。

 特に、女性の「背中」より、男性の「背中」のほうが、感情を表現しているように見えるのが不思議です。