不具合指摘の件数としては、たとえばブレーキ音がうるさい、窓がくもる、ナビゲーションシステムが正確でないといった設計に起因する不具合(設計不具合といいます)が多く挙がっています。一方の製造不具合は、件数そのものは少ないのですが、発生したときにユーザーに与えるインパクトは大きいといえます。たとえばバッテリーが上がったり、エンジンやトランスミッションから異音がすれば、乗っていて不安になるでしょう。調査でも、ユーザーが深刻と感じた不具合の上位10項目のうち、8項目が製造不具合で、そのうちの5項目がエンジン・トランスミッションに関する製造不具合でした。VDSスコアがよいブランド・モデルには、この手の不具合が少ないという特徴があるわけです。

走行距離に比例する不具合件数

 本調査ではブランド・モデルによる不具合指摘の差が表れました。

 ただし、日本のメーカーに限ってみれば、スコアが70点前後でまとまっているという見方もできます。スコアが100台あたり70点ということは、不具合指摘件数が1台あたり1件を下回るということです。

 また、輸入車を含む全ブランドの回答においても、不具合が1件以上あったと回答した割合は平均34%で、3台のうち2台のユーザーは不具合を指摘していません。つまり、確率的には、新車を買ってから3年少々の間に、1つも不具合を感じない可能性のほうが高いということです。

 そう考えると、不具合に関しては、ブランド・モデルの違いよりも、走行距離、乗っている時間の長さ、使用頻度の影響のほうが大きいかもしれません。

 そこで本調査では、走行距離別に不具合指摘件数を算出しました。その結果、2万km以下は62点、2万~3万6000kmは80点、3万6000km以上が104点と、走行距離に比例して不具合指摘件数が増えていることが明らかになりました。

 参考までに米国で行ったVDS調査を見ても、直近の結果ではスコアが147点で、日本のスコアよりも高くなっています(=不具合指摘が多い)。これも、米国のほうが走行距離や乗っている時間が長いことと関係があると考えられます。米国VDSの調査対象となった車の平均走行距離は3万5642マイル(約5万7360km)で、日本の調査対象車と1.7倍の差があります。走行距離が長いほど、ライトが切れたり、バッテリーが上がる可能性は高くなりますし、乗る時間が長いほど、ブレーキの異音やシートのきしみなどを感じる可能性も大きくなるものなのです。