2015年8月27日、J.D. パワーは、「2015年日本自動車初期品質調査SM(Initial Quality Study, 略称IQS)」を発表しました。新車購入後2~9ヵ月を経過したユーザーを対象に実施した本調査から分かったことは、“車が壊れない”のは当たり前で、消費者は“使いやすさ”を求めている、ということでした。
この意識の変化が起こったきっかけは何なのでしょうか。消費者の不具合指摘から最新動向を分析します。
新車を買ったユーザーは
どんな点に不満を感じているのか
クルマ社会のアメリカでは、車載マルチメディアシステムをはじめとした車のハイテク装備が欠かせないものになってきているようです。
たとえば、新車のハンズフリー機能の装着率は98%、音声認識システムは67%に及びます。日本と比べて車の利用頻度が多く、移動距離も長いアメリカでは、車内・ドライビング環境の良し悪しと、その要因となるハイテク装備の性能が、ユーザーにとって重要になってくるのです。
一方、車の使用環境こそ異なるものの、日本でもハイテク装備への関心が高まりつつあるようです。
それを示しているのが、J.D. パワーが毎年行っているIQS調査(初期品質調査)です。
IQS調査は、新車を購入した人(2~9ヵ月)に不具合を聞くもの。「故障」や「誤作動」など製造に起因する不具合と、「使いづらい」「操作しづらい」といった設計に起因する不具合の両方を聞いています。たとえば、「ナビが動かない」は製造不具合、「ナビが使いづらい」は設計不具合です。