車内にニオイが染み付いてしまっていた場合、2つの“秘密兵器”を投入する。それが「オゾン脱臭機」と「車両用クレベリン」だ。これまで様々な脱臭機を使用して試行錯誤してきたが、1年前からはこのオゾン脱臭機をニオイの強度によって1回15分から40分ほど可動させる。車両用クレベリンは短時間で車内に二酸化塩素を発生させ、車内の除菌・消臭を行う優れものだという。

車内のニオイを取る”秘密兵器”。左が「オゾン脱臭機」で、右が「車両用クレベリン」。ともに稼働させた後は、独特のニオイがするため20分ほどの換気が必要だという

 その他、車両のフィルターの清掃・交換も頻繁に行う。一般的なクラウン車両のフィルターは3ヵ月に1度は中性洗剤で洗浄。車種によっては洗浄できないため半年に1回はフィルターを交換している。「換気しづらい車内を締め切っていても空調からきれいな空気を感じてもらうために」(當間工場長)清掃や交換は欠かせないのだという。

 さらにドライバー一人ひとりに自社で用意した消臭スプレーを支給。車内の臭いやお客様の香水の匂いが気になるときにも、お客様が下りた後に使っているという。

「除菌スプレーや消臭剤は、冬になると夏よりも回転が速くなりますね」(西川さん)

 これからの季節、忘年会が増えたり、インフルエンザなどが流行すると、車内で嘔吐する客も少なくない。その場合は直ちに、シートの汚れとニオイを取るために、高圧洗浄機を導入し、直ちに洗浄しているという。

汚れてニオイの染みついたシートを高圧洗浄機で洗浄している様子(左)。右はドライバーに支給している同社が用意した消臭スプレー

きっかけは女性顧客と女性ドライバー
社員の意識はますます高まるか

 同社がこうした対策に積極的に乗り出したきっかけは、2007年にさかのぼる。同社ではその年に外部の調査期間をつかって自社のサービスをチェックする『タクシーサービス調査』を実施。そのなかでは、車内環境についてのチェック項目があり、「乗車した際、車内の臭いはどうでしたか?」に86%が「特に気になる臭いはしなかった」と回答したものの、残りの14%は「気になる臭いがした」と回答。内訳をみると、「タバコの臭いがした」「整髪料の臭いがした」などがあった。

 これを受け、すぐ対策を講じなければ!と立ち上がったのが、同社の富田和孝社長だった。

「私は元々ニオイに敏感な方だったのですが、この結果を知って、営業所にある工場の月1回の車両点検に参加して、一緒にニオイチェックもしました。私は専門家ではないのですが、お客様目線で不快かどうか意見を伝えて行ったのです」