湿気の多い梅雨が目前に迫っている。汗のにおいが気になる季節だ。
ここ数年の制汗剤市場は、やや動きがあるように見える。圧倒的に女性用が多かった以前に比べて男性用制汗剤の販売数が徐々に増え、同時に以前まで主流だったスプレータイプに代わり、直塗りするスティックタイプが発売数を伸ばしている。
男性向け制汗剤市場規模は約74億円!
4年前の約1.6倍に
「デオナチュレ制汗交替委員会」が、首都圏在住で東京23区内の職場に電車で通う30~40代の独身サラリーマン100人に汗とにおいに関するアンケートを行ったところ、「自分や周囲の体臭や汗のにおいは気になる」と答えた男性は70%に上った。「人よりも体臭がある」と思っている人も約40%いた。
しかし、「汗のにおいが気になる」からといってすぐに制汗剤を手に取るかといえば、そうではない様子。「実際に制汗剤を使用している」と答えた人は26%にとどまり、「使用したくない」と答えた男性も22%いた。
「スキンケア商品販売会社シービックによると、男性向け制汗剤の2009年度の市場規模は約74億円。4年前の約1.6倍に拡大した」(中日新聞、2010年5月5日記事)というように、制汗剤を使用する男性は徐々に増えてきてはいるようだが、女性ほど習慣的に使用する人はまだ少ないようだ。逆に言えば、男性用制汗剤市場にはまだそれだけの伸びしろがあるということだろう。
スティックタイプは
前年比384%と急拡大中
また、ここ数年で販売数を伸ばしているのがスティックタイプの制汗剤だ。デオナチュレの発表によると、2009年のスプレータイプ制汗剤販売数は前年比87%と縮小傾向だったのに比べ、スティックタイプは384%の伸びを見せた。
「制汗剤には『汗を抑える』、『ニオイの元となる菌の繁殖を抑える』、『消臭する』、『他の香りでマスキングする』、『汗を吸着してふき取る』という5つの作用があり、(制汗剤の)製品はこれらの組み合わせによってできている」(デオナチュレ)という。スプレータイプは「香りづけ」の作用が強いが、スティックタイプはにおいを抑え防臭効果を長く続かせる作用が強い。同社では「(香りづけよりも)においを元から抑えるもの、消臭効果のあるものを求める傾向がある」としている。
身近な男性数人に聞いたところ、制汗剤を使用しないと答えた人の理由は「そもそも使うという選択肢がない」「使おうと思ったことがない」というものだった。「エチケットの一部」という感覚が強い女性とは、意識の違いがあるのかもしれない。汗ばむ季節に向け、あなたは制汗剤を使いますか?
(プレスラボ 小川たまか)