育児はしているけれど、赤ちゃんに泣かれると、ついついびびってしまい、「ねえ、ちょっと~」と妻にヘルプを求める。そんなパパも多いだろう。そして、そんなパパの態度に、イライラするママもまた多いはず。
同じ親なのに、育児シーンでは圧倒に存在感の薄いパパ。育児スキルの以前に「親としての自覚」が感じられないと、ママたちの怒りは爆発寸前だ。果たしてパパたちには「父親の自覚」がないのだろうか?
「AERA with Baby 2015年12月号」で、イクメン道を修業中の身の武士である武士沢忠長氏が、文化人類学者の上田紀行先生に聞きました!
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「社会的に見ると、男は強そうに見えますが、実は弱い生き物。一方、弱く庇護されるべき存在という印象の女性ですが、こと育児に関しては、従来のその認識を逆転させるべきです」(上田先生)
母は強し、か。でも、その強さの源とはなんでござろうか?
「ズバリ『確信』ですね。この子は私のおなかの中で育てて私が産んだ、という圧倒的なリアリティーが、母としての自信と自覚、強さを与える。一方、男は逆立ちしたって自分で命を生み出すことはできない。つまり絶対的に俺の子だという確信が持てない」
わが子が真に拙者の子かを疑っているとでも? 失敬な!
「それは僕も疑っていませんよ。でもいくら妻の妊婦健診に立ち会い、エコーで赤ちゃんの姿を見ても正直、妻ほどの実感はわかなかったでしょう? 自分のおなかの中にいるわけじゃないんだから。当事者意識がないというか」
ふむ、それはありますな。
「出産に立ち会いましたから、生まれたときは僕なりに大感激しましたよ。でも実際に産んだ妻とは感動のレベルが格段に違う。産んだ妻と産んでない僕にはリアリティーに天と地ほどの違いがある」
同じ親なのに、少々寂しいのう。